背景: 脳卒中はタイにおける主要な公共医療の問題である。 タイにおける脳卒中の有病率は高いが,先進国に比べると低く,おそらくタイでは致死率が高いためであろう。 頸動脈の病変は脳卒中と関連することが知られており、頸動脈ドップラー超音波検査(CDU)は頸動脈の動脈硬化の評価に使用できる強力なツールである
。 脳卒中患者におけるCDUによる頸動脈画像病態を評価すること
。 2011年1月から2016年5月の間にRajavithi病院
でCDUを受けた脳卒中患者170名のレトロスペクティブスタディである。
結果 全脳卒中患者170名,平均年齢63.92+13.97歳(21歳~91歳),男性61.2%,女性38.8%であった。 右総頸動脈と左総頸動脈の平均IMTはそれぞれ1.08+0.55mmと1.11+0.58mm
であった。 内頚動脈のプラークレベルは右1.51+0.81mm,左1.60+0.86mmで,12名に頚動脈の完全閉塞が認められた
。 10例の経過観察では、1例では70%狭窄から完全閉塞へ、もう1例では53%狭窄から完全閉塞へと進行しており、いずれも
病状の進行が認められた。 頸動脈の完全閉塞は14名にみられた
。 脳卒中患者の多くは頸動脈に病変を有していた. その多くは頸動脈速度は正常であったが,内膜中膜厚が増加し,様々な形態のプラークを有していた。 血管の狭窄は有意な狭窄のないものから50%以上の狭窄,50~69%の狭窄,70%以上の狭窄,閉塞に近いもの,完全閉塞とさまざまであった。 頚動脈病変、頚動脈IMT、虚血性脳卒中、TIA、永久脳卒中、頚動脈ドップラー超音波検査