Right atrial (RA) enlargement (RAE) に関するECG基準を検証する以前の試みでは、サンプルサイズやRAのサイズを測るための受け入れ基準がないことから制限があった。 新しいガイドラインでは、RAボリューム(RAV)を使用してRAサイズを決定することが推奨されている。 このガイドラインが発表されて以来、新しい基準を用いて心電図によるRAEとRAVを相関させる研究は発表されていない。 我々は、以前に提案されたRAEの心電図基準(一般にP pulmonaleと呼ばれる)を検証し、肺高血圧症(PHT)クリニックの患者におけるP波振幅と心エコーで決定されるRAVの間に相関が存在するかどうかを確立することを目指した。 PHTクリニックの患者のうち、心エコー図と心電図が最大30日の間隔をおいて行われた患者を特定した。 P波振幅の増大は、リードIIで≧2mm、リードV1で≧1mmと定義した。 RAはRAV指標(RAVI)が男性で≧39mL/m2、女性で≧33mL/m2の場合に肥大していると判断した。 患者は、P II≧2mm、P V1≧1mm、両方の基準を満たす患者、どちらも満たさない患者の4群に層別化された。 その後、右心房容積を比較した。 63人の患者が研究に参加した(男性7人、女性56人)。 男性3人、女性36人が肺気腫の基準を満たす心電図を有していた。 男性5名、女性28名には心エコーでRA肥大が認められた。 RAEの基準を満たした心電図の69%は、心エコー図によるRAVの増大と関連していた。 心電図における肺気腫の各基準のRAEの検出率は、男性で100%であった。 女性で最も特異度が高かったのは、P II≧2mm AND P V1≧1mm(94%)であった。 女性で最も特異度が低かった基準はP II≧2mm(70%)であった。 各基準の感度はかなり低かった。 男性および女性で最も感度の高い基準は、それぞれP V1≧1mm(66.6%)およびP II≧2mm(48%)であった。 IIおよびV1リードのP波振幅とRAVIの相関は、P pulmonaleの心電図基準のいずれにおいても統計的に有意ではなかった。 PHTクリニックの患者において、RAEの検出に対するP pulmonaleの特異度は高いが、感度は比較的低い。 これらの結果は、PHT において、P pulmonale は RA の肥大を確認するために使用することができるが、RAE を診断するための信頼性の高い検査ではないことを示唆している。