左室機能の障害は急性心筋梗塞後の死亡の大きな予測因子だが、駆出力で表すか収縮末期または拡張末期の容積で表すかは不明であった。 初回心筋梗塞(n=443)または再発心筋梗塞(n=162)後1〜2ヵ月の605人の60歳未満の男性患者において、体積、駆出率、冠動脈閉塞および狭窄の重症度を測定し、生存者については平均78ヵ月(範囲15〜165ヵ月)間追跡調査した。 心臓死は101例で、そのうち71例(70%)は突然死(即死または死体発見)であった。 log rank検定とCox比例ハザードモデルによる多変量解析では、収縮末期容積(chi 2 = 82.9)が拡張末期容積(chi 2 = 59.0)や駆出率(chi 2 = 46.6)よりも生存に対する予測価値が高かったが、段階的解析では生存と収縮末期容積との関係がいったん適合すると拡張末期容積や駆出率のいずれにも追加の有意な予測情報は存在しないことが明らかにされた。 冠動脈の閉塞と狭窄の重症度は、境界的な有意性(1つの解析でp = 0.04)のみの追加予測を示したが、タバコの継続はステップワイズ解析でも独立した危険因子であることがわかった。 梗塞からの回復後に冠動脈手術の無作為化試験に参加した患者のサブセット(n=200)では,手術の「intention to treat」は予測値を示さなかった(250語で要約)<2428>。