本研究の目的は新生児における心房中隔瘤(ASA)の有病率を調べ、ASAの自然経過を定義し、それに伴う心房中隔開放(IASO)の閉鎖に対する役割を検討することだった。 合計 1072 例の連続した新生児を,生後早期に心エコーで検査した. 心房間中隔の長さ,IASOの直径,動脈瘤の突出部と基部,関連心房の幅を測定し,各新生児について突出部比率と基部比率を算出した. excursion ratio > or = 25%の動脈瘤はASAと診断された. ASAを有する新生児は81人(7.6%)であった. ASAの有病率は早産児で11.1%(126例中14例),満期新生児で7.1%(946例中67例)であった. ASAはすべて生後1年目の終わりに消失し,追跡期間中に病変に関連した合併症は認められなかった. IASO全体の有病率は78.6%(1072例中843例)であったが、ASAを有する症例では72.8%(81例中59例)であった。 心房中隔シャントの消失時間はASA有りと無しの間で有意差はなかったが,自然閉鎖の頻度はASA有りの症例がASA無しの症例よりそれぞれ77.7%と96.1%)少なかった(p<5087>0.001). 新生児におけるASAの有病率は高く,解決率も高い。 したがって,良性で一過性の観察であると考えることができる。 ASAを有する症例ではIASOの自然閉鎖の頻度が低いことから,ASAが自然閉鎖に悪影響を及ぼしている可能性が示唆された。