Neuronal nicotinic acetylcholine receptors (nAChR) はリガンドゲートイオンチャネルの一種で、人間の脳内に広く分布しています。 これらの受容体には複数のサブタイプが存在し、それぞれが個別の薬理学的および機能的プロファイルを有している。 また、アルツハイマー病、パーキンソン病、統合失調症などの病的状態にも関与しています。 nAChRは、5つの膜貫通型サブユニットからなる5量体構造をしており、これまでに9種類のサブユニットが同定されクローニングされている。 nAChRは5つの膜貫通型サブユニットからなる5量体構造をしており、これまでに9種類のサブユニットが同定され、クローニングされている。この複数のサブユニットが、nAChRサブタイプの構造および機能の異質性の基盤となり、それぞれの特徴を生み出している。 ヒトのnAChRの構造と機能に関する相当量の情報は、nAChRを天然に発現する神経芽腫細胞株や、Xenopus卵母細胞で発現する組み換えnAChRの研究によって得られている。 In vitro 脳の nAChR 分布は、多くの適切なアゴニストおよびアンタゴニスト放射性リガンドでマッピングでき、サブユニット分布はサブユニット特異的 mRNA プローブを用いた in situ ハイブリダイゼーションでマッピングすることが可能である。 生きているヒトの脳における受容体の分布は、PET や SPECT などの非侵襲的なイメージング技術で調べることができ、アルツハイマー病患者の脳における nAChR の著しい減少が、ニコチンを用いた PET 研究で確認されている。 このようにnAChRに関する知識は蓄積されてきているが、まだ解明されていないことも多い。 本総説では、ヒトの脳に存在するnAChRのサブタイプ、その機能的役割、神経病理学的関与に関する現在の知見について述べることを試みたい。